Celeron G3930とGTX1070TiでアンバランスPCを作ってみた。

自作PC

2コアの低スペCPU「Celeron G3930」に上位グラボ「GTX1070Ti」でアンバランスなゲーミングPCを作ってみました。

IntelのCPUではエントリークラスの「Celeron(セレロン)」とNVIDIAのゲーミング向けGPUでは上から3〜4番目のハイエンド級の「GTX1070Ti」で「GPUだけ高性能な”アンバランス”パソコン」を作ってみました。

性能や消費電力、そして、「パーツ性能のバランス」がどのくらい重要なのかをお伝えできればと思います。

使用パーツの紹介。「つよつよグラボ」+「よわよわCPU」

それでは実際に使用したパーツを紹介します。

CPU「Intel Celeron G3930 2.9GHz 2コア/2スレッド LGA1151」

インテルの「Kaby Lake」というマイクロアーキテクチャ(構造)を採用したシリーズの中で、低電力版やモバイル版を除くCPUで「最低スペック」の製品です。

しかしながら、Core2世代の2コア系CPUを圧倒する性能を持っており、専門的にPCを使用する分野では厳しいかもしれませんが、事務処理や、音楽管理、動画再生程度であれば一切ストレスを感じること無く使用できる高性能なCPUです。

Celeron G3930に内蔵するグラフィック機能「インテルHD グラフィックス 610」は4K60Hzの出力にも対応しているので、4Kモニター環境を使用してのマルチメディアパソコンとしても最適です。

ただし、Celeronは同年代のCPUの中ではほぼ最低スペックになっているので過度な性能を期待してはいけません。

グラフィックボード・ビデオカード「Palit GTX1070Ti 8GB DUAL」

グラフィック系の処理を行う「グラフィックボード」です。「Palit GTX1070Ti 8GB DUAL」です。

GTX1070Tiは1つ上のGTX1080 に迫る性能を持つグラボで、少なくとも最低性能な「Celeron」とは不釣り合いな高性能グラボです。※他社CPU、同社Atomを除く。

今回、GTX1070Tiに関する詳細レビューではないのでご紹介は省略しますが、ほとんどのゲームにおいて、フルHD~WQHD環境では60FPS以上を叩き出す性能で、ほぼ間違いなく「快適にゲームを楽しめる」グラボです。VRにも十分に対応する性能を持っています。VRレディ。

メモリ・ストレージ「DDR4-2133 4GB」「SSD 128GB」

メモリやストレージに関しても「現行最弱クラス」です。メモリはCFD販売 Panramシリーズの「DDR4-2133 4GB x1」で4GBです。

ストレージはSamsung SSDの「850(MZ-7LN120B/EC)」で容量は128GB。

マザーボード「MSI H270-A PRO」

マザーボードです。マザボは「MSI H270-A PRO」を選択。

こだわりはありませんが、選んだ理由は「価格」と「PCIポート無し」「VGA出力有り」という点です。価格は言うまでもなく安価だということ。そして旧世代で現在はほとんど新規には使用しない「PCI」は必要ではありません。代わりに現在主流の「PCI-E(Express)」が多いこちらに魅力を感じました。グラボやサウンドカード、キャプチャーボード、SATA増設カードなど、現在主流の拡張カードはほとんどPCI-Eですからね。

それと、幅広い使用方法を想定して古いディスプレイにも対応できるようアナログな「VGA出力」を搭載しているものを探しました。

チップセットはインテルH270で、LGA1151ソケットを使用する第7世代のインテル製CPUまで対応しています。

電源「オウルテック 80PLUS GOLD FSP AURUM 700W AS-700」

電源は「オウルテック FSP AURUM Sシリーズ 700W AS-700」です。ATX電源で、80PLUS GOLD認証した高効率電源です。

12vが1系統(56Aまで)なので、計算上グラボなど単体で最大672ワットまで供給できます。要するにケーブルごとの上限が細かには決まられていないということですね。※とはいえケーブル1本に流せる電流は電気抵抗・発熱により無限ではない。

電源が原因でPCが動かないときはこの系統の数が影響している場合がありますので、新規に電源を購入されるのなら12v1系統のものを勧めします。

ケース「Aerocool製 ATX対応 LEDマルチライティング搭載PCケース Aerocool DS 230」

結構前にAmazonでセール価格になっていたので購入しておいたものです。

Aerocool DS 230という静音性の高いミドルタワーケースです。ATX規格に対応し、はやりのLEDマルチライティングが特徴ですね。外観は静音重視のケースということもあり、サイドパネルも分厚い鉄板で覆われています。

組み立てる。

パーツを開封して組み立てていきます。今回は、初めはケースに入れず、まな板的に設置して、動作の確認・OSインストールなどを行い、その後ケースに搭載しました。

CPUをセットして。

CPU付属のクーラーをセットして、ケーブルも接続。

あとは、メモリ、ストレージ(SSD)、電源をつないで、、、

、、、まな板状態ですが、完成です。コレでパソコンとして動作します。

動作検証!「Celeron x GTX1070Ti」アンバランスPC

それでは実際にベンチマークを走らせて、性能を軽く確認してみます。

ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター「フルHD 最高品質」 ベンチ結果

「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター」のベンチマーク結果は「9,364」で非常に快適判定となりました。

実のところGTX1070Tiに対しこちらの結果は異常に低い数値です。というのも、CPUやメモリを今回の「Celeron」や「4GB」ではなく、グラボとのバランスの取れた「Core i5、i7」や「8~16GB」といった構成にすると同じベンチマークで「15,000~16,000」という結果になるからです。

CPUの性能がボトルネックとなり、GPUの性能を活かしきれておらず、実際のベンチ結果として「3~4割」の性能ダウンという結果となっています。

消費電力「Celeron x GTX1070Ti」

ゲーミング性能は3割程度低下することがわかった。では、消費電力はどうなっているのか。気になったので調べてみました。

グラボなしとグラボ有りで、「アイドリング時の消費電力」と「FFベンチ時の消費電力」を確認しました。測定はコンセントに刺して使用するワットメーターの液晶を目視で確認、それぞれの「最高値」を記録した数値となります。※当然ですがPC本体の消費電力で、モニターの消費電力は含まれていません。

グラボなしの時「Celeron G3930」のみの消費電力。

まずはグラボなしの状態です。

グラボなしアイドル時の消費電力は「約17w」

グラボなしの状態です。※パソコンにはUSBのキーボード、マウス、無線LAN子機が接続されいます。

起動後にCPU負荷などが安定したことを確認し計測。消費電力は「17w」と出ました。

正直驚くほどに省エネですね。ノートパソコン並の省エネ性能です。

グラボなしベンチマーク中の消費電力は「約36w」

別途グラボを搭載せず、CPU単体(内蔵のHD グラフィックス 610)を使用して「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター」のベンチを走らせた状態です。

「36w」でした。スゴく省エネです。一般的な扇風機「強風」程度の電気しか消費していないです。

コレなら高負荷状態が長く続いても電気代を心配する必要は無いですね。

グラボ有りの時「Celeron G3930とGTX1070Ti」の消費電力。

それではGTX1070Tiを搭載した際の消費電力についてみていきます。

グラボ”有り”アイドル時の消費電力は「約24w」

アイドリン時の消費電力です。グラボなしで「17w」で、グラボ有りで「24w」。GTX1070Tiを搭載することでアイドリングの消費電力は「7w」増加しました。

CPU単体ではなかった、時々50w以上に跳ね上がる事があるので、常に24w程度というわけではありませんが、想像より省エネでした。

24wというのは扇風機の弱~中くらいの消費電力と同じになります。

グラボ”有り”ベンチマーク中の消費電力は「約222w」

同じく「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター」のベンチを実行中、目視で確認して最も電力を消費した際「222w」と出ました。

実はコレは結構低い数値です。もし、CPUやメモリをバランスよく搭載した場合の消費電力は「300w前後」になります。

単にCPUが省エネということも考えられますが、CPUがボトルネックとなり、グラボの出力や消費電力にも影響を与えている可能性も高く感じました。

まとめ。「Celeron G3930はGTX1070Tiの足を引っ張っている。」

今回の検証として、予想されたことですが、実際にCeleron G3930はGTX1070Tiの足を引っ張っていました。一概には言えませんが、今回の検証では程度として「ゲーミング性能は約4割ダウン」「消費電力は約3割ダウン」する。という事がわかりました。

基本的にPCパーツを選ぶ、PC構成を考える際は、「性能バランス」を考慮する必要は確実にあることが実際に目で見て分かる結果でした。

今回はデータが少なく、検証と言えるレベルにはないと思いますが、何かの参考になれば幸いです。

最後までのご覧頂きましてありがとうございます。

 

コメント

  1. より:

    こういう頭のおかしい記事を書いてくれて本当にありがとうございます
    とても面白かったです
    やっぱり高性能グラボは偉大だなあ

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