【Micro-ATXで最小級】NEC Mateを改造してミニPCを作ってみた。

MOD PC・改造系

NEC Mateをベースに小型ケースを自作してミニPCを作る。

基本部品は「NEC Mate」の純正パーツを使用して、ケースを自作することで、スリムタワーよりも更に小さなパソコンに仕上げていきます。

作り方や完成後どのくらい小型化できたのかなどをご紹介します。

材料も100円ショップやホームセンターで入手可能ですし、簡単な加工のみなので誰でも作れるともいます。

NEC MateのPCパーツを活かす。可能な限りの小型化を目指す。

目指すのは「NEC Mate」の小型化・省スペース化です。可能な限りMateそのままで仕上げたい。なので部品を小型なものに変更することはせず、内部の部品配置を工夫して、今よりも小さなスペースに収まるようにしようと計画しています。

以上を踏まえ、それを実現できる小型PCケースを自作するというのが今回の内容です。

小型PC自作ケース 使用素材

使用する素材についてですが、私には予算も優れた加工技術もありません。なので安価で加工しやすい「MDF材」を使用します。

今回は100円ショップダイソーで100円のMDFボードを3枚購入しました。この板材がPCケースの基本素材となります。

それから、MDFボードの固定・補強として「アルミアングル」を使用します。
このアルミアングルは以前、アルミフレームPCを作ったときの廃材です。なので、リベット固定の跡、穴が残っていますが今回の主にフレームではなくボードの固定に用いるので外観上の問題は無し。もったいないので再利用します。
その他、細々したものを色々使用しますが、それは都度ご紹介しします。

製作開始

まずは、分解してパーツを取り出します。
カバーを外したので中身が見れるようになりました。
PC自体は「Micro-ATXマザーボード」で、電源ユニットは「TFX電源」です。
拡張カードスロットがありますが特に利用しないので拡張性は考慮しません。また、DVDドライブは外す予定なので、光学ドライブのスペースと拡張カードスロット周辺のスペースを活用してうまいこと省スペースに仕上げようと思います。

分解完了。

Mateで使用されていたこちらのパーツ「マザーボード」「CPU」「メモリ」「CPUクーラー」「電源」を活用します。

なお、純正CPUクーラーはケースに固定するタイプだったので、今回は別途ネジ類を用意し、マザーボードに直接ナットで固定しました。

マザボへの影響が心配ですが、とりあえずはこれでゆきます。

次に、どうしたら小さな体積にまとめられるのかを考えます。

結論は上記のように、電源ユニットを拡張カードスロット周辺に配置してマザーボードの面からは極力はみ出さないような構成にして、Micro-ATXでは最小なケースにできればと思います。

上からの全体図。CPUクーラーの高さも電源の幅からはみ出さなそうですね。

さて。どのようにパーツを配置するか決定したので、それをもとに簡単な設計図を書いてみました。

上:パーツを収めるのに必要な寸法。内寸です。
下:必要な内寸・容量を確保できる最小のケースを組み上げるための素材の切り出しサイズです。

サイドパネルを外せるようにしたり、組み立てのし易さ、板の重なり方、あとは、のこぎりの回数の少なさも考えました。

・・・ということで、この設計で板をカット。

カット完了。 MDFボードなので簡単にのこぎりで切ることができました。

アルミアングルもこのようにぶつ切りにして、L字のステーとして使います。

組み立てていきます。

組み立ては主に接着剤を使用して行います。強度に心配が残りますが、ネジの場合は外に頭が飛び出たりするので面倒。接着剤で妥協するかわりにL字ステーをたくさん用意して、接着面積を増やすことでなるべく強度を高める考えです。アングルは90度の直角なので箱形状をキレイにできるメリットもあります。

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設計通りの箱形状になるようにステーで接着。

なお、ステーの位置はマザボの固定ネジを避ける位置にしました。

背面と上下の板を接着しました。

「Micro-ATXマザーボード」がぎりぎり入る設計ですが、どうやら上手くいきました。

次、マザーボードの固定についてです。少し悩みました。

結論としてはこのM4の手回しネジ「ユリヤねじ白」を用いて、ボルト固定しようと思います。

このように手回しねじを裏から取り付けます。

そしたらナット(今回は作業性を重視して高ナットを選択)を使用して基板を挟み込みます。

それを自作したケースに接着剤で固定すれば・・・

ケースの外側にネジ頭を出さず、マザボのスペーサーにもなるので一石二鳥の固定方法になります。
ネジは7本使用しており、7箇所を強力接着剤で固定しているので、固定力も大丈夫だと思います。

なお、接着剤の能力も発揮できるようにネジ頭は予めヤスリで傷を付けておきました。

マザーボードをマウントできるようになりましたので、次は電源ユニットやストレージの搭載について考えていきます。

電源の位置は決まっているので、固定方法についてです。

電源の固定はこのように木片を使用して下駄を作る。そこにマジックバンドを用いて固定したいと思います。

このようにSSDも一緒にくくりつけてしまいます。

それからサラッと出てきていますが柱も作ります。

素材はダイソーの角棒です。これを接着剤と釘で固定しました。柱は強度アップの他、サイドとフロントのパネルを取り付けるためにも必要です。

それからパネル類の固定方法についてですが。簡単に脱着も行いたいので、マグネットで取り付けすることにしました。

片方は釘の頭の部分を。

釘の頭を柱部分に取り付け。

パネルにはネオジム磁石を埋め込みます。

これでPCケースとして成立。

パネルは磁石で脱着可能。

ケースとしての全体構造は完成です。

ただ、このままでは味気ないし、あまりかっこよくない。なのでダイソーで購入したリメイクシートを使用して外装を格好良く仕上げます。

リメイクシートはカッティングシートのやや硬い版といった商品です。

適切なサイズにカットしてから貼り付け作業です。

外から見える部分は全てシートを貼り付けました。ただ、MDFボードは接着が効きにくいので上手く張り付きませんでした。(ドライヤーで伸ばしながらでもあまり効果はないです。MDFが毛羽立っていることによる粘着力不足が原因ですので。)

少しシワが目立ちますが、何も貼らないより良い。カーボン調と木目調の組み合わせが悪くないです。

PCケースはこれで完成となります。

PCパーツ組み込み

それでは自作したパソコンケースにNEC Mateのパーツを組み込んでいきます。

CPU等を取り付け済みのマザーボード一式を高ナットで取り付け。
ここからは配線作業を考慮しつつ続けていきます。

電源ボタンを取り付けます。ちなみに、この電源ボタンは以前、アルミアングルPCを製作した際に作ったものです。それをアングルごと切り取ってこちらに流用しました。(過去の該当記事

アルミアングルとリベッターでMOD PCを作ってみた。
「アルミアングル」と「リベット」で作るRyzen7×GTX1070Ti搭載のMOD PCをご紹介します。全体の構成や大まかな作り方などお伝えしていきます。意外と簡単なので自作PCケースの手始めにオススメです。

ケース後方に強力両面テープで取り付けました。

電源ボタンの配線も接続。

電源ユニットとストレージを取り付けてそれぞれ配線を行います。

組み立て完了です。

完成 ~ 起動テスト

Nec Mateを使用した小型PCが完成したので、各種周辺機器を接続して起動テスト行います。

起動しました。元々使用可能な状態のPCだったのでそのままOSまで起動し使用可能な状態になりました。

ちなみに。背面以外は密閉状態ですが排熱に問題はありませんでした。このままでも運用可能です。

あとは現状、ケース自体が机にベタ置きなので何かしらインシュレーターのような足を取り付けると良さそうです。

サイズ感 比較

最後にどの程度小型化出来たのか確認してみましょう。

サイズ・寸法についてです。

小型ケース(自作)
幅:132mm
高:262mm
奥:256mm
体積:8,853.5cm³
(約8.9L)

Mateスリムタワー(純正)
幅:92mm
高:335mm
奥:382mm
体積:11,773.2cm³
(約11.8L)

となっています。計算の結果、体積比「約25%の小型化」に成功しました。

背面を同じ位置にして設置しました。比較すると一目瞭然です。横幅がやや増えましたが、奥行き高さともに大きく減少しました。

続いて色々な物と並べてサイズ感を視覚的にご紹介します。

PS4のコントローラー「DUALSHOCK 4」と「iPhone7」とのサイズ感の比較。

こう見ると小型と言っても間違いないことが感じ取れます。
比較は以上となります。

まとめ Mate・マイクロATX最小クラスの自作ケース

NEC Mateを自作ケースでミニパソコン化しました。

体積約9リットルと、Micro-ATXフォームファクタのケースとしては最小クラスに仕上がり、Mini-ITXの市販ケースと比較した場合でも、そこそこ小さい部類に入るサイズとなりました。(Mini-ITXなら同等サイズでグラボも入りますが。)

リメイクシートのシワ残りや接地足の追加など、改良したい点もありますが小型なモダンPC仕上がり、ここまで形になったことを満足しています。

パーツや素材、加工方法の何れもが、誰にでも再現可能なので、更に工夫してより良い物の製作の参考になれば幸いです。

 

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