ホコリまみれなCPUクーラーを豪快に水洗いしてスッキリさせる。
今回はCPUクーラーを水洗いしたので、どこくらいきれいになるのか。そもそも水洗いはOKなのか。そして、実際に水洗いする方法や注意点をご紹介していきます。
多数のフィンを一枚一枚拭くのは面倒。だから一気に水洗い!
パソコンのCPUクーラーは、 CPUの熱を放熱するため表面積が多く、普通に拭いて掃除しようとするとかなりの手間がかかります。
そのため一般的にはブロワーやエアダスターを使用してホコリなどの汚れを吹き飛ばして清掃します。その場合、数十秒程度で実際の掃除は終えることができます。※吹き飛ばしたホコリをどうするかという後処理が発生しますがね。
しかし、空気中の水分や油分によってエアダスターでは綺麗になくならないの汚れがこびり付いている場合もあるでしょう。
そんな場合は面倒や細いブラシを使って放熱フィンの一枚一枚をコツコツ拭くわけですがそうなるとかなり大変です。
そこで今回は豪快にまるまる水洗いする方法について解説してみました。
そもそも水洗いしても大丈夫なの?どんなCPUクーラーでも大丈夫なのか?錆びたりしない?
そもそもCPUクーラーは水洗いしても大丈夫なのか。それからCPUクーラーには様々な種類があり、空冷式で言うとアルミ製のCPUクーラーや銅のヒートパイプを使用したもの、銅製の放熱フィンを使用した全銅タイプ・フルカッパーのCPUクーラーなどもあります。また水冷式(ラジエーター「銅製・アルミ製・塗装などなど」)もあるでしょう。
・・・それで、 実際にどのようなCPUクーラーであれば水洗いできるのかについてですが、基本的にはすべてのCPUクーラーが水洗い可能です。
(上)写真にある右の空冷式はもちろん、左の簡易水冷のラジエーター部分(蛇腹の部分です)も水洗いOKです。
ただ推奨するわけではありません。CPUクーラーは基本的に金属で構成されているため水が付着すると錆びてしまう可能性はあります。
ですが、過度に恐れる必要はありません。水で洗った後、速やかに乾かせばOKです。金属は水で濡れている間に錆びやすいので、濡れている時間を最小限にすることでサビるリスクも最小限にできます。
※市販のCPUクーラーはいずれのタイプも、アルミ製か銅製なのでそんな短時間で目に見えるサビ・酸化は無いかと。ヒートパイプやCPUコンタクト・受熱ベース(接地面)などはクローム調(ニッケルメッキ)など施されてあるものもあり、その場合は極めて錆びにくいです。
洗い方について「水(冷水)から熱いお湯で」「洗剤を併用しても良い」
洗い方についてです。
水洗いの方法は、基本的に何でも良いです。通常の水道水でもOKですし、油汚れなどがひどい場合は少し熱めのお湯(50度程度を上限、手で触れる温度を推奨)や、中性洗剤を使用して洗うのも良いでしょう。
また、バケツに水を張ってその中にCPUクーラーを投入してじゃぶじゃぶと洗浄することや、シャワーで水をかけたりやわらか ブラシでこすりながら洗うのもも良いでしょう。
それから当然ではありますが、CPUファンやLEDなどの電気を使う部品は予め取り外してください。簡易水冷タイプはポンプ部分は水に漬けないようにしてください。ポンプヘッドは濡れるとショートして危険です。万が一電気を扱う部分を濡らしてしまった場合は確実に乾燥させてください。
重要!水洗い後は乾燥させる。
CPUクーラーなどを水洗いする上で最も重要なことは、水洗い後しっかりと乾燥させることです。
乾燥方法はいろいろありますが「扇風機の前に置いて乾燥」「ドライヤーで乾燥させる」「ストープの近くに置いて乾燥させる」などがおすすめ。※手で触れる事ができないほど高温にして乾燥させるのはダメです。ヒートパイプが破裂・液漏れ・ガス漏れして破損する恐れがあります。
自然乾燥の場合は風のある窓の近くが良いです。※無風状態での単なる放置では乾燥までに数日かかる場合があります。※特に水冷のラジエーターは内部の乾燥に時間がかかる。
とにかく水洗いを終えたら可能な限り早く乾燥させましょう。また”確実に乾燥させる”ことが重要です。
上記の写真のような水冷式クーラーのラジエーターが代表的ですが、表面上乾いていてもラジエーターの奥は水で濡れている、水が溜まっている場合があります。
水分が残っていることを知らずにCPUクーラーとして運用を再開してしまうと、水がはねて電気回路のショートなどの事故につながりかねません。
またサビなどは水に濡れている時にはより早く進んでいくため、濡れている時間を出来る限り短くする方が良いです。それから錆びなくても水垢などが残る可能性もありますので、速やかにそして確実に乾かすことはあらゆる点で重要です。
実際に水洗いする。方法の例
それでは実際にCPUクーラーを水で洗ってみましたので、やり方とその例をご紹介します。
例)ZALMAN FX70(アルミフィン、ニッケルメッキヒートパイプ、メッキ受熱ベース)
バケツに水を入れてジャブジャブ洗います。今回は油汚れも落としてくれやすい「お湯」を使用。
ジャバジャバと洗浄。
【before after ビフォーアフター】
下)水洗い前
下)水洗い後(乾燥後)
綺麗です。
くすみ感が軽減し光沢が増し、綺麗になりましたね。前述したとおり、目に見えるサビなども発生しておらず、水洗いは成果は上々です。
例)Thermaltake V1 CL-P0401 (全銅製。銅製フィン、ニッケルメッキなし銅製ヒートパイプ、メッキなし受熱ベース)
水にジャボンと浸しました。
水洗い後・・・乾燥・・・
OK。銅製でも問題は見られず。キレイになりました。※ただ、こちらはもともとそこまで汚れてはいないので、水洗いする意味はなかったですが。
例)簡易水冷のラジエーター部分(黒の塗装付き)
水冷のラジエーターは水に浸けるのではなく、ジャワ-をかけました。※お湯です。水でもOK。
もちろん問題なし。大丈夫です。※そもそも車やバイクなどの同様の水冷ラジエーターは雨ざらしで、洗車など水はねのある状態で運用されているので・・・ね。
追記:水冷式CPUクーラーの水洗いに関して補足的な解説記事を書きました。水冷クーラーを水洗いする際に合わせてご確認いただき、少しでも参考になれば幸いです。
【PC】水冷式CPUクーラーのラジエーターをジャブジャブ水洗いしてみる。【解説】
水洗いがオススメな場合と、おすすめしない場合について。
CPUクーラーの掃除方法として一般的である「エアダスターなど」を使用した清掃方法よりも、水洗いの方がオススメな場合と、水洗いはやめたほうがいい場合についてご紹介していきます。
まず水洗いですが、これはCPUクーラーの全体が湿り気を帯びた汚れがある場合におすすめです。代表的なのが調理の際に出る湯気や油っぽい煙、タバコの煙、ヤニ汚れ、電子タバコの蒸気など。このような湿った空気を取り込む環境にて運用した場合につく汚れに効果的となります。
しかしながら、それ以外の場合、乾いたホコリや砂埃などの軽度な汚れの場合はエアダスターやブロワーなどの一般的な清掃方法で十分であり、水洗いにメリットはないです。むしろ少しでも錆びる可能性と、完全に分解しないといけない手間、かかる時間などを考慮すれば無駄な行為ですらあります。
ですが、前述した「湿り気を帯びた汚れ」の場合、空気で吹き飛ばせないことが多く、かといって手作業で除去・拭き上げるのは手間がかかりすぎるため、場合によってはCPUクーラーを交換・買い替えたほうが生産的かもしれません。
そんな場合に水洗いを試すことを”1つの対処法”としてオススメします。
まとめ「水洗いはできる!とてもスッキリする・・・まあ、買い換えるのもありです。」
CPUクーラーを水洗いする方法と注意点、水洗いするべき状態とそうでない状態についてでした。
エアダスターでは綺麗にできないほど汚れて、買い替えてしまおうか検討中の場合、一度水洗い・お湯洗いを試してみるのはいかがでしょうか。少しだけ台所用洗剤(中性洗剤)や風呂用洗洗剤を入れて洗浄するのもありです。
「PCパーツを水洗い。」・・・普段は体験しないであろう行いであり、少し抵抗を感じる方もいるかも知れません。ですが、汚れすぎて捨てるぐらいなら挑戦してみるのも面白いと思います。
最後までのお読み頂きありがとございました。参考になれたなら幸いです。
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コメント
《感想》
”ラジエーターの水洗い”は斬新な意見。希少情報に感激いたしました。当方、現在、『Windows 10』用途パソコン(『B-85ME』マザー・ボード搭載機種)を常用していますが、CPU『Core i 7;#4700グレード』動作(フル稼働時にCPU温度が80℃前後)の冷却化/安定動作化/高効率稼働化の実践体制に入りました。少々、謎だった、冷却化とラジエーターの関係が理解できました。オーディオ趣味でも、クリーン化/高効率化が話題ですが、パソコンのCPU動作に関わる高効率化/高冷却化は大問題と最近知りました。そう、CPUの水冷冷却の可能性段階ですが、ラジエーター他部品などのパーツ毎の水洗いは素晴らしい。筆者も将来には参考にさせていただきたく存じ上げます。お元気で。