静音メカニカル「ARCHISS ProgresTouch TKL 静音赤軸モデル」開封&長期使用レビュー

PC周辺機器

質実剛健!静音メカニカルキーボード「ARCHISS ProgresTouch RETRO TKL」ピンク軸をレビュー

静音赤軸キースイッチを採用したメカニカルキーボード「ProgresTouch RETRO TKL」を購入したのでレビューいたします。

開封から仕様の紹介、そして、長期間使用しての実際どうなのかなど、徹底的にご紹介します。

ARCHISS「ProgresTouch RETRO TKL」(Cherry MX Silent Red)

家電量販店や通販サイトで購入可能。今回はAmazonで購入しました。

ARCHISS(アーキス)社「ProgresTouch RETRO TKL(プログレタッチ レトロ テンキーレス)」。

主な仕様については、USB接続のメカニカル式キーボード。91キー日本語配列。カナなしキートップ印字。キースイッチはのCherry MX Silent Red=静音赤軸(別名 ピンク軸)です。

その他の特徴としては、USBケーブルが着脱可能で、汎用のミニUSB(タイプB)ケーブルであれば自由に使用できること。それから、キーキャップがABSの2色成形(ダブルショット)仕様で、文字ハゲが極めて起こりにくいということなどがあります。

あとは、Windowsキー無効や左ControlキーとCapsLockの入れ替えなどを物理的に変更設定できるDIPスイッチ。
ゲームの際に有用な、全てのキーの同時押しでも押下順番検出が可能なNキーロールオーバー機能などが備わっています。

ちなみにアーキス(アーキサイト)は日本の会社ですが、製造は台湾となっていました。

開封します。

箱の手前左端に「No others needed…」・・・「他は必要ない」と。

箱を開くと、説明書とプラスチックのキーボードカバーが。

内容物を全て取り出しました。

内容物は「キーボード本体、帯付きUSBケーブル(タイプA-ミニB)、PS/2変換アダプター、交換用キーキャップ、キーキャップ取り外し工具(キープラー)」以上です。

付属品について更に詳しく見ていいきます。

交換用キーキャップについては主に左のControlとCapsLockを入れ替え用のものと、WindowキーとAltキーを入れ替え用の際に使うものが入っていました。本体裏面にあるDIPスイッチで上記のキーを入れ替えた際に、交換すると印字が正しくすることが出来ます。ありがたいです。

それからキーキャップ引き抜き工具ですが、小さいもの(上)と大きい立派なもの(下)の2つが付属していました。ただ、この大きい方については単品でも販売されている品で「ARCHISS エルゴグリップキーキャップリムーバー」という製品。それがAmazonで購入した際の特典で付属するようでした。なので特典なしの通常販売品では上の小さいプラ製の工具のみが付属します。

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各部紹介「本体チェック」

キーボード本体をじっくりご紹介します。装備や質感などお伝えできればと思います。

表面、キー配列など

上面です。かな無し日本語配列でスッキリした印象。標準的な日本後配列です。また、最下段の配列をシンプルにすることで、スペースキーが長めになっています。オーソドックスな日本語配列にありがちなスペースキー短すぎる問題が解消されており非常に好印象です。動画編集や英字入力、ゲームなどスペースキーを多用する場合に大きなスペースキーは大変ありがたいです。

印字は2色成形で、摩耗しても消えることがなく、黒地に白でくっきりしていて視認性が良いです。

素材、質感について

材質は基本金属などではなくブラスチックです。表面は無塗装のようで、ザラッとしたマットな質感。

書道の道具、硯(すずり)のような感じと言うとうまく伝わるだろうか。

若干のチッピングというか梨地な表面が好印象。

キーキャップ、キートップの素材と質感

キーキャプはABS製。黒ですが、なにか混ぜ物が入っているのか少しキラキラしているように見えます。

左が本製品のキーキャップで、右はRazerのゲーミングキーボードのもの。
Razerのは半透明の樹脂に黒い塗装・コーティングで仕上げされている。文字部分は素地の色。
対して、本製品は白い文字も黒い部分も素材の色で無塗装、無コートと思われます。

裏から見ると一目瞭然。2色成形でキー全体が2層構造で通常品より1.5倍程度分厚いため重厚感があります。実際に通常品よりも1.5倍程度重たいです。そのため、PBTほとではないにしろ上質感がありました。

底面、チルトスタンドについて

底面です。四隅に滑り止めのゴム、チルト機構、DIPスイッチがあります。

チルトスタンドの先端、接地部分には滑り止めのゴムがあり、スタンドを使用しても極端に滑り止め効果が低下することはない。

チルトスタンドを立てた様子。

キーボードの角度については、通常時は「約4度」

チルトスタンド使用時は「約11度」でした。角度は一般的な印象です。

スタビライザーは下を通るタイプ

大きなキーの下にある「スタビライザー」については、フレームの下を通ってます。

「スタビライザー」は上写真で言うところ、左端に見える灰色の十字のパーツの下に見えるステンレス製の針金のことです。

これは黒いプレートの下を通って反対の同じ部品に繋がっているのです。これは上にある場合はキーキャップを取り外す際に気をつけないと破損させてしまう恐れがあるので、プレートの下を通っているモデルのほうがメンテナンス性に優れます。掃除の際にキーキャップを外すのが気楽にできますので。

なお、すべてを確認したわけではありませんがフィルコのマジェスタッチの場合はフレームの上を通っている構造です。

USBポート

USBポートです。miniUSB(タイプB、2.0)です。配線はキーボードの前と左右の3方向から出すことができます。

その他

キーボード前面右端にはアーキスのロゴがありました。薄めのレーザー刻印?昇華印刷?なので目立ちません。というかほぼ見えないです・・・。

それから、ロック系のインジケーターについてです。

CapsLockなどのLEDサインはキーの下にありした。有効だと青く光る仕様です。

使用レビュー

ここからは打鍵感などをはじめとする使用感についてご紹介します。また、しばらく使用しての感想も交えレビューいたします。

打鍵感について(静音赤軸、Cherry MX Silent Red)

打鍵感について。キースイッチはメカニカル式で「Cherry MX Silent Red(静音赤軸)」が使用されています。

キーを押すと、真っ直ぐ下に沈む感覚がメカニカルらしさを感じます。

仕様は基本通常の赤軸(MX Red)と同じで、押下圧は押せば押すほど重くなるリニアタイプ。カチッと言うクリック感はなくバネを押している感覚のみ。
45gの力で押し下げ、1.9mmの時点で入力反応します。

この45gは比較的軽量とされる重さであり、軽やかに入力できると思って良いです。

体感的にも重くもなく軽快に入力が可能で、なおかつ、ブラインドタッチ(タッチタイピング)で指を添えていたり、隣のキーに指が触れるなどしても誤反応することもなく、ストレスが少ないちょうどよいメカニカルスイッチです。

通常の赤軸と比較し、スペック上は同じ押下圧ではあるものの、私の使用した感覚では、ほんのわずかに重く感じました。実際の重さは同じでありますから、おそらくは底打ちした際の感触が原因で重く感じてしまっているだけだとは思います。

また、静音ということで、「キーを一番下に押したところ」と「キーを離して一番上に上がるところ」(当たる場所)に衝撃吸収材が取り付けてあり、キーを押したときの音、キーを離して戻るときの音の両方を低減している仕様です。

それで、キーを底打ちしたときには、静音化のための吸収材が底打ちの衝撃を吸収するため、底打ちの際の打鍵感にも影響があります。具体的には底打ち時の指への衝撃が緩和され、長時間キー入力をしていても指が痺れにくく、快適になります。
ただし、衝撃が少ないのと静かなのを引き換えに、スコスコと打鍵する音や感覚の爽快感が少ないので、人によってはメカニカルらしさを感じづらくなるかもしれません。
とはいえ、メンブレン式のようなベコベコ感や安っぽいプラスチック感がないので明らかなメカニカルフィールがありますが。

打鍵音について

打鍵音は静音赤軸のため控えめです。ノートPCの薄型メンブレン(シザー系など)よりは音は大きいですが、一般的なメンブレン式よりは静かです。

それから、上での打鍵感のところでお話しましたが、赤軸はもともとカチッと言う音はないわけではありません。であれば何を静音化しているのかといえば、「キーを一番下に押した時の音」と「キーを離して一番上に上がる時の音」です。そしてこの静音赤軸はキー内部の軸の上と下に当たる部分に衝撃吸収材が入っているので、その衝撃音を軽減していると言いうわけです。

なので赤軸に見られるカタカタやコツコツという音は殆どしなくなっています。しかし、無音ではなく、打鍵時には「シャクシャクという感じの軸が擦れる音」と「指がキートップにふれる音」の2つはそのままとなっています。なので無音で打鍵できるわけではないです。

あと、メカニカルキーボードでありがちな金属反響音については、ほんのわずかにありました。
ただ、「カーン」というように明らかな響きはなく、キースイッチの内部にあるバネが跳ねるような音が耳を澄ますとわずかに聞こえるという程度であり、個人的には気にならない程度でした。

使って感じた「良い点」「イマイチな点」

良かったこととイマイチに感じたことをご紹介します。

良い点1「一切違和感がない自然な配列」

普通の配列なのが素晴らしいです。極めて一般的な日本語テンキーレスデザインで足りないキーが全く無く大満足です。

ソフトウェア制御はないですが、DIPスイッチでいくつかのキーを入れ替えたり無効化などができるのも良いですね。格安系のキーボードにはDIPスイッチなどはありませんから。

あとはキーの印字にはないですが、Fnキーと当時押しで上のようなメディア操作も可能でした。(印字があるといいのですがね・・・スッキリしたデザインを優先したのかな。)

良い点2「ゲームにも最適なスペースキー」

日本語配列ですが、スペースキーが極端に短くなくて押しやすいです。

特にアクション系のPCゲームなどでは、WASDキーをキャラクター操作の方向キーとして使うので通常のタイピングよりも左側にオフセットしたポジションに手を置くことが多いです。そしてジャンプボタンとして「スペースキー」がよく使われるのです。なのでスペースキーは長い必要があるのです。

また、動画編集などでもスペースキーは多用するので指を掛けやすくて良いです。

良い点3「圧倒的な耐久性。摩耗が全く目立たない!」

1年以上「ブログ」「動画編集」「ゲーム」でほぼ毎日使用しましたが、故障しないのは当たり前としても、摩耗が全く目立たないのがすごいです。(テカリが発生しにくく、目立たない。)

上の写真はしっかり1年以上使用した状態です。今ご覧のように私はブログをやっているので、比較的キーボードを酷使する方でしょう。文字入力は数十万文字で、ゲームも数百時間、動画編集も何百時間と行ったと思います。

摩耗によりテカリや塗装ハゲ、文字カスレなどが見え始めてもおかしくないところだが・・・全く摩耗している感じがしないのです。新品に近いです。

近づくとほんの少し光沢が増したようにも見えますが、明らかな変化がないのには驚きです。
ゲームで激しく使う「WASD、E、左シフト、スペースキーの左側」など、極端に摩耗していてもおかしくないキーもテカリがほとんどない・・・スペースキーに至っては一切変化なし。なんてこった!素晴らしい。

速攻で摩耗してテカリが出やすいエンターキーも全く変化なし・・・

使っても使用感が出なくて、当然反応しないなどのチャタリングも一切経験無し。非常に高耐久だと思いました。一生使えるのではと思えるほどでした。

良い点3「カバーが付属しているのが良い。」

キーボードを選ぶ際に見落としがちな「カバー」です。使用していないときに掛けることで主に埃よけの効果があります。

実を言うとキーボードを使い始めてから一度もホコリ掃除はしていないのですが、1年以上使用してもキーボード本体はほとんどホコリを被っていませんでした。
黒いのでホコリが目立つのですが、写真のように・・・案外きれいでしょ?(※キーのトップをウェットティッシュで拭く程度はしていますよ。)

付属のキーボードカバーはペラペラ脆そうだし、最初はしょぼいオマケ程度にすらも考えていなかった。なんなら無くても良いと思っていたのですが、使ってみるとその重要性に気が付きました。
キーボードは隙間が多いためホコリ掃除が大変なので、その手間を省けるのがこれほど楽だとは思いませんでした。

専用品なのもポイント高いです。上からさっと乗せるだけでピッタリ隙間がなく、内部にホコリが入ることがほぼないです。

イマイチな点1「保証のシールが不可抗力で破れ、保証切れ状態に。」

続いてイマイチな点についてです。

イマイチな点。保証のシールがUSBケーブルの抜き差して破れてしまうことです。
上写真にあるように、「DO NOT REMOVE」と書かれたシールは、保証状態を表すシールになっています。このシールの下にはネジがあり、シールの状態で分解していないことを確かめる役目を果たします。

ですがこのシール、USBコネクターの直ぐ側にあるために、USBケーブルの抜き差しで擦れてしまい、分解していないのにも関わらず破けて穴が空いてしまいました。破けたりすると保証対象外となるため、この位置は不適当と思われます。私の個体だけなのでしょうか?

私はUSBケーブルは基本挿しっぱなしで、掃除や模様替えのときに外すだけなので、2,3回程度しか触れていない場所なのですが、上のようにシールは破けてしまいました。残念。

まあ、本体の耐久性は良くすでに1年以上2年程度使用しているため壊れても許せるのですが、買って初日に破れ始めたので・・・この位置はだめでしょうよ。(1回の抜き差しでポート付近が破けました。)

イマイチな点2「Mac向け印字なし。」

単なるUSBキーボードなのでMacに接続しても使えるのですが、Mac用の印字や交換用キーキャップがありません。

スイッチはCherry MXなのでキーキャップは交換できるのですが、対応の交換キャップはメーカーからは出ていないようです。

日本語配列の場合、キーの幅がモデルによって違うので、Cherry MX用のMacの印字(CommandやOptionなど)のカスタムキーキャップがあったとしても幅が合わず取り付けられない場合もあります。

まとめ「ガッツリ使っても真新しさを維持する高耐久」「標準的な日本語配列テンキーレスキーボード」

ARCHISS ProgresTouch RETRO TKL(Cherry MX Silent Red)」の長期使用レビューでした。

自然な日本語配列とヘビーに使っても梨地のマットな質感を維持する耐久性を両立したキーボードでした。

イマイチな点も少なく、本当に気になったのは保証シールのことくらい。

メカニカル式の優れたテンキーレスキーボードをお求めの際には良い選択肢になると思います。

今回選んだ「CHERRY MX静音赤軸(ピンク軸)」も静音リアルフォース(静電容量無接点)に勝るとは言いませんが、それに並ぶ選択肢になる軸なので、個人的には使ってみて後悔はないです。
静音で夜中でも気兼ねなくタイピングやPCでゲームができるので、静音性を重視しつつもメカニカルの性能や打鍵も楽しみたい方には良いと思います。

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