圧倒的静粛性。ATX規格対応「Aerocool DS 230」ミドルタワーケースのレビュー。
徹底した静音設計と、モダンなライン発光LEDが特徴のミドルタワーケース「Aerocool DS 230」を購入し組んでみたのでレビューしていきます。
気になる静音性・静粛性を重点的にお伝えしていきたいと思います。
「Aerocool DS 230」ATX対応 LEDマルチライティング搭載PCケース ~開封~
Amazonで購入しました。兎に角重かったです。後でスペックを記載しますが、ケース本体の重量は「約8.2kg」。梱包材やダンボールを合わせたパッケージ重量はおよそ10キロ程度。繰り返しますが兎に角重いですね。
ただ、サイレントケース・静音重視PCケースということで、分厚い鉄板や吸音・遮音材など、どうしてもある程度の質量が必要であり、重いのはそれだけ静粛性が期待できるので問題ではないです。
開封します。
ミドルタワーケースなのでそれなりの大きさがあります。どうでしょうか。パット見でどのような印象を持たれるでしょうか?私は写真を見る限り小さく見えます。しかし、実物はすごく大きいですね。というのも、裏配線可能なので横幅が結構あります。写真手前にあるカッターと比較するとなんとなく写真からもその存在感を感じ取れるかと思います。
「Aerocool DS 230」の詳細・スペック
それでは「Aerocool DS 230」の詳細・スペックをご紹介します。
–スペック–
[規格・対応]ミドルタワーケース、ATX対応(マザーボード・電源)
[サイズ]幅230×奥478(D)×高475
[マザーボード]ATX、Micro ATX、Mini ITX
[CPUクーラー]全高170mmまで
[グラフィックボード]全長413mmまで
[ベイ]3.5インチシャドウ×2、2.5インチシャドウ×3
[電源]別売り、ATX対応、180mmまで、ホコリ防止フィルター有り。
[ファン]フロント×3/140mm×2(120mmファン1個装着済み)、トップ120/140mm×2、リア120mm×1(装着済み)
[フロントIO]2×USB 3.0 / 2×USB 2.0 / イヤホン端子・マイク端子 / LEDカラー切り替えスイッチ / 2×ファンコントロールスイッチ
[重量]約8.2kg
[備考]ファンハブ内蔵(3ピン、4ピン両方に対応)、RPM連動可能LEDマルチライティング搭載、前面と電源下にホコリ防止フィルター搭載(上面は無し)
以上が詳細・スペックです。
スペック・仕様の特徴としては、ミドルタワーケースでアクリルなどの透明窓はなし。フロントの5インチベイも無し。LEDイルミネーション有り。高い静粛性あり。重量有り。
といったところです。
DVDやBDなどの光学ドライブを使用する場合USBの外付けになってしまいますので注意は必要ですが、兎に角静音性を重視し、パソコンから発生する雑音を徹底的に抑えたいという方におすすめな仕様ですね。
静かな理由。「分厚い鉄板と、吸音・制震材」
本製品の売りである「静粛性・静音性」はケース全体に使用された「分厚い鉄板」とパネル内側に貼られた「高密度素材※恐らくアスファルト系」によるものです。
ケース全体は0.7ミリ厚の鉄板で構成されており、高い剛性感があります。剛性はケースに伝わるHDDなどの振動や、音そのものの振動を伝えないという効果もあります。
両サイドと上部のマグネット固定のパネル、前面パネル裏の、底面と背面を除く全面(4面)には「高密度吸音素材」が貼り付けられており、音の吸収と、さらなるパネル剛性の向上に役立っています。高密度で重量のある(触った感じおそらくは住宅などでも使用されているアスファルト系の遮音シート)吸音材がケースそのものの振動など低いノイズも低減します。
ファンハブ搭載。
4ピン3ピン各4つのファンハブを搭載しています。こちらのファンハブに接続することで、ファンの回転数を1括管理できます。また、このファンハブはマザーボードのファンコネクターからのRPM信号を(写真下の基盤)LED制御基板へ伝える役割も果たしています。コレによりケースファンの回転数=PCパーツの温度でLEDの色を動悸させるなどの同調制御が可能になるわけです。
ちなみに写真左中央部に映るペリフェラル端子は接続しないとLEDは点灯しないので、LEDライティング機能を使用する場合は必ずこのペリフェラルも電源と接続しておきましょう。
裏配線スペースも十分。組み易さは良い◎
太めの24ピンメイン電源ケーブルも余裕で裏配線可能な設計でした。
各種部品の配置も普通なので組易さは良いですね。ただし、電源は180mmまでですが、線を抜き差しできるプラグイン式の電源の場合はもう少し奥行きの短いものを使用したほうが良いですね。
電源の真後ろにはHDDベイがあるので、プラグイン式の場合はケーブルが重なったり、プラグの付け根が出っ張っていたりするので、150ミリくらいまでの電源を選択したほうが収まりとしては良いと思います。
それではマシン組み込み。
それではマシンを組み込んでどの様になるのか見てみます。ちなみに道具は「プラスドライバー」だけで組み立てできます。マザボのスペーサーもプラスドライバーで六角ボルトを扱えるアダプターが付属するので問題ありません。また、結束バンドが付属しているのでいいですね。
ATXマザーを使用しています。
組み上げるとこんな感じになりました。非常にスッキリとしています。
配線は全て裏から最寄りのサービスホールより基盤に接続できるので、露出するケーブルは最小限になっています。
「静音性・静粛性」の検証。
それでは組み込みが完了したところで、このケース最大の特徴「静かさ」の確認を行います。
検証はスマホの騒音計アプリを使って、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター」のベンチマーク中の騒音でもって比較したいと思います。
ケースなしの騒音。「約30dB」
ケース無し、まな板状態のPCでは「30dB(デジベル)」前後でした。ファンスピードは概ね40%といった所。数値として計測はしていませんが、グラボのファンの回転が100%になると驚くほどうるさいです。「サー」ではなく「ファー」になります。
体感としては「USB扇風機」の騒音に近いです。ベンチマーク中「サー」という風切り音と、「チリチリ」というコイル鳴きの音が聞こえてきますね。
ケース有りの騒音。「約20dB」
ケース有りの場合、「20dB(デシベル)」前後でした。ファンスピードは同じく概ね40%。非常に静かで、ベンチマーク開始前から20デシベルという数値は変化しませんでした。つまるところ部屋の通常時の騒音と同じレベルで、「静か以外の何物でもない」状態です。
体感としては耳を澄まさないと動いているのかも音で判断つかないレベルです。背面のファンの音のみが聞こえてくるかな?といった程度ですね。
ファンの回転を100%にすると流石に「サー!」と主にグラボのファンノイズが聞こえてきますが、それでも、ケース無し時の爆音ファンを想像することはできないレベルで音の押さえ込みはできていると思いました。
LEDライティングも面白い。スーパーコンピュータのような印象を受けるサイバーパンクなデザイン。
LEDの色をFANの回転数と同調できる他、前面のスイッチで色や明るさを手動で変更も可能です。
デザインですが、個人的な感想として、透明なサイドパネルからLEDでピカピカと光るパーツが見えるわけではないけれど、それが逆に中身の凄さを想像させるように感じました。※サイドが透明スモークなっている「ウィンドウブラックエディション」もあります。
また、LEDのライティングデザインなども非常にモダンで、映画やアニメの世界、具体的にはPSYCHO-PASSの警備ロボットや、グリザイアシリーズのタナトスAIなど、未来的なコンピューターを連想してしまいました。個人的に好きなデザインで気に入りました。
まとめ。比較的貴重な静音重視PCケース
モダンなデザインと、高い静粛性を両立したミドルタワーケースでした。
裏配線スペースも十分で、各種部品の配置も標準的で組みやすい。ただ1点、5インチベイが使用できれば最高ですが、そのくらいしか欠点がないケースですね。
近年、「静粛性を兎に角重視した」という製品は減少して、どちらかと言うとアクリルガラスでスケスケなパソコンケースが主流なので、静音ケースをお探しの方にはいい選択肢になるでしょう。
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