CPUクーラーの取付金具をアルミアングルで自作しました。
パソコンの頭脳、CPU。それを冷やすCPUクーラー。そのCPUクーラーをCPU・マザーボードに取り付け、固定するためのブラケットをホームセンターにある材料と簡単な工具のみで自作してみました。
本来はCPUクーラーに付属の取付金具を使用すればいいので、わざわざ自作する必要はないのですが、古いもので新たな環境では非対応であったり、少しずらして取り付けたい、はたまたブラケットをなくしてしまった等、あえて用意する必要があるときの参考になればと思います。
CPUクーラー「サイズ 虎徹」取付金具を所持していないので、自作する。
中古(ジャンク)で購入したCPUクーラー「サイズ 虎徹」です。※虎徹Mark2ではないです。
ジャンク品で本体のみの状態でした。そのため取付金具はなく、また、CPUファンもない状態。
手持ちの12cmファンをインシュロックで取り付けましたが、肝心な取付金具がないためCPUの直上に固定が出来ません。ということで取付金具を自作します。
自作開始 ~使うのも・作り方~
それでは実際に作っていきます。必要なモノと作り方・手順について解説致します。
まずは使うもの・材料についてです。今回使用したのは(上)の写真にあるモノです。※これに加えハサミ、両面テープ、電動ドリルも必要。
- アルミアングル
- アルミ平棒
- M3ネジ(3ミリのネジ、長めのもの)
- 両面テープ(厚み・弾力のあるモノがおすすめ)
- 金属向けのノコギリ
- ヤスリ
- 電動ドリル(アルミに3.5ミリ以上の穴を開けることが出来るもの)
- ハサミやドライバー等・・・説明するほどでもない細々したもの
以上です。リストに上げると色々使用しますが、特殊なものは使用しません。一般的なDIYで活用するような工具だけでOKです。
ちなみに今回はアルミアングル等は廃材を活用します。廃材のため関係のないところに穴が既に空いているところがありますが可能な限りそこは避けて使用していきたいと思います。
作業開始
それでは実際に作っていきます。
まずはCPUクーラー取り付け穴の寸法を測ります。ネットで調べればわかるので実際に測る必要はないのかもしれませんが一応。
今回はintel LGA1155なので「75mm」の正方形の角に当たる位置に約3ミリの穴があります。
この穴と穴の間に橋をかけるようにアルミアングルを使いたいので、75ミリを越える長さにカットします。今回は85ミリで切りました。※もしも真似される場合は85ミリでは少々ギリギリなのでもう少し長めにしても良いかもしれません。続きをご覧の上ご判断ください。
ちなみに中央のCPUクーラーの中を通る棒はLのアングルではなくIの長い板状の材料を使用しました。長さについてはこの板っぽい方はやや短めにしました。
カットしたアルミアングルなどです。言葉では説明しづらいですが、完成像は伝わりますでしょうか。
アルミアングル等をカットしたら75ミリの位置に点点と印をつけ、そこに穴を開けます。
ドリルで開ける穴の直径は最小でも3.5ミリは必要。大きい分には問題ないので大きめに開けると良いでしょう。
今回はステップドリルを使用して、最終的には5ミリ程度の穴を開けました。
マザーボードの裏から、カットして穴あけを済ませたアルミアングルたちをのせてみました。
穴の位置は合っています。開けた穴の中心は雑作業によりズレてしまったのですが、先程お話したとおり大きめの穴を開けましたのでその穴ズレを吸収できました。
続いてネジ類を取り付けていきます。M3の40ミリの長さのネジを使用しています。
ネジはマザボの裏から表に出して、ナットでぐらつきがない状態に締めています。
こんな感じです。※中央の平棒の両端に貼ってあるのは両面テープです。※必須です。
ここまできたなら後は組み立てる作業。
CPUグリスを塗布してからCPUクーラー本体を載せます。
CPUクーラーを押さえつける中央の棒を置いて、両端の両面テープの剥離テープを剥がします。
アルミアングルをのせます・・・
最後にナットやワッシャーを使用して締め付ければ固定完了です。
(重要)ちなみに上の写真ではレンチでナットを締め付けていますが、実際にはほとんどトルクは加えていません。指で締める力+α程度の優しさで締めました。また、中央の板棒はしなるのでマザーボードが曲がるほどの力はあまりかかりません。
完成
完成しました。CPUクーラーの取付が出来ました。一応この後試験運転しましたが、問題なく使用できました。冷却性能にも問題はなく、十分な温度域での使用が可能でした。
コツ・注意点
CPUクーラーの取付金具・ブラケットを作る際の注意点などについてご紹介します。
注意点はいくつかありますが、重要点のみご紹介します。まず、「強い力がかからないように配慮する事」です。市販のCPUクーラーの場合スプリングなどを使用して必要以上に強く押さえつけたりしないようになっています。しかし今回の設計では中央の板がしなることと、分厚い両面テープを使用することで力の吸収を計っているので、スプリングなどよりは力の吸収能力が低いです。なので締め付ける力には注意しましょう。また、強く締めないということは緩みやすくなっている恐れがあるので、ネジが緩むことなども考慮し、完全に緩んでも滑落しないよう長めのボルトを使用しましょう。
あとはCPUクーラーがずれないように注意してください。具体的にはCPUクーラーと自作した固定金具との接地部分は両面テープを使用する等、縦にも横にもずれないように配慮すると良いと思います。
また、上写真にある商品「LGA1156用 ヒートシンクバックプレート」(※LGA115xとLGA1200でも使用可能。)のようなモノに含まれるパネルやスプリング等を流用するのも良いかと思います。
まとめ
CPUクーラーの取り付けステーを自作する方法についての解説でした。詳細な寸法などは各CPUクーラーによって違っていると思いますので、基本的な構造の参考になればと思います。
繰り返しになりますが、PCは精密機器なので、自転車の整備感覚でネジを締め上げたりすると曲がっては行けない部分が曲がったりするので、とにかく力を掛けすぎないことに注意してください。
今回、私が行った方法も+アルファでスプリングを追加するなど、より良いものを作り出していただければ幸いです。
コメント