待望の「ARM64版」Arm系SoC・CPUネイティブ対応版Google ChromeがBeta版に登場!通常安定版リリースもまもなく登場か。
WindowsのARMチップ搭載PCを使用している方へ朗報。待望のGoogle ChromeにARM対応ビルドが配布開始されました。
一足先にARM64対応した「Google Chrome 123(beta)」をインストールしたので、今回はChromeのARMネイティブ対応化によってWEBブラウジングがどれほど快適になったのか、ベンチマークテストを実行して性能比較などを行います。
現在はbeta版ですが、問題なければ間もなく通常版も出てくる。
Windows ARMに対応しているバージョンは、記事制作時点ではベータ版となりますが、通常はベータ版は約1ヶ月後に通常安定版としてリリースされるので、まもなく通常版へのアップデートとしても配信が開始される模様です。
大きな問題がなければ、近々これまで32ビット版をエミュレーションで動作していたChromeがARMネイティブ対応バージョンにアップデート可能になります。
ARM対応Chromeをインストール(ベータ版)
当記事執筆時点において、ベータ版になるので、ベータ版のインストール手順を解説します。
なお、Chromeのベータ版は、通常版と区別されます。
通常安定版のChromeをインストール済みのPCにベータ版をインストールする場合は、安定版のChromeはそのままで、追加でベータ版がインストールされます。
上書きインストール(アップデート扱い)にはなりませんので安心して試しにインストールして問題ありません。
Google Chromeの公式ダウンロードページの一番下にベータ版のダウンロードページへのリンクがあります。
「Windows11 ARM をお使いの場合。」と書かれています。やっとChromeにARM向けが登場しました。
さて。「Chromeベータ版をダウンロード」をクリックしてインストーラーをダウンロード。
「ChromeSetup.exe」を実行してインストールすれば完了。
設定から「Chromeについて」を確認して「バージョン: 123.0.6312.4 (Official Build) beta (arm64)」となっていればARM版になっています。
※arm64となっていることが重要。ARM版64ビットアプリケーションという意味です。
第一の印象「とっても快適。今までのモッサリ感一切ない!」
「待ってたぞGoogle。最高です。」
エミュレーションで動いていたChromeは何をするにもモッサリでした。起動するのもモッサリで、「んー?今クリックしなかったっけか?」など、通常仕様に難があるほど反応が悪すぎでした。
一方、ARMネイティブ対応版はまるでハイエンドスマートフォンのようにサックサクでした。
(上)タスクマネージャー。CPU「Snapdragon 850」。
当方の環境はSnapdragon 850 CPUを搭載したARMのノートパソコン。OSはWindows11です。
数年前のSnapdragon 845~855と同等程度の性能があり、型落ちハイエンドスマホと同程度の快適性でブラウジング体験はしたいです。というのがChromeで叶いました。
※元々Microsoft EdgeはARM対応していたので、それで良ければ動作サクサクで問題は無かったのです。
性能比較・ベンチマーク
それではここからはブラウザで動作するベンチマークテストを用いて、数値としてどれほど変化があったのかを確認します。
Basemark Web 3.0 ベンチマーク
WEBブラウザ各機能の動作速度を検証するベンチマークツールです。数値が高いほど良い性能となります。
Microsoft Edge (ARMネイティブ対応)
ARMネイティブ対応しているMicrosoft Edgeでの測定結果です。スコア「510.5」でした。
Google Chrome (32bitエミュレーション)
ARMネイティブ非対応。x86、32bitのChromeをエミュレーションで動作。スコアは半減し「219.35」でした。
Google Chrome (ARMネイティブ対応)ベータ版
今回、新たにARMネイティブ対応したGoogle Chrome(ベータ)です。スコアは非対応版から倍増し「428.27」でした。
各「Basemark Web 3.0」結果をグラフで比較・まとめ
棒グラフでスコアを可視化・比較しました。Microsoft Edgeが最も優れたスコアでした。ARM対応のChromeよりも誤差とは言えないほどの差をつけています。Chromeはベータ版なので今後改善する可能性はあるでしょうが、いずれにしてもエミュレーションで動作していいたときよりスコアは倍増しており、実際のWEBブラウジングでも確実に体感できるほど高速になりました。
HTML5 の Webベンチマーク
先程のWEB3.0はブラウザの実用性能を主としてテストして数値化するベンチマークテストでしたが、こちらの「HTML5 の Webベンチマーク」はブラウザからPCの処理速度を計測するようなテストとなります。
Microsoft Edge (ARMネイティブ対応)
ARMネイティブ対応しているMicrosoft Edgeでの測定結果です。スコア「272367」でした。
Google Chrome (32bitエミュレーション)
ARMネイティブ非対応。x86、32bitのChromeをエミュレーションで動作。先程のテストと同様、スコアは半減し「155975」でした。
Google Chrome (ARMネイティブ対応)ベータ版
今回、新たにARMネイティブ対応したGoogle Chrome(ベータ)です。こちらも同様です。スコアは非対応版から倍増し「246997」でした。
各「HTML5 の Webベンチマーク」結果をグラフで比較・まとめ
先程同様、Microsoft Edgeが最も優れたスコアです並び順も同様の結果。
ネットブラウジングの体感でもMicrosoft Edgeは最速でしたが、ARM対応のChromeは同等と思える程度には快適でした。
テスト結果一覧
WEB3.0ベンチ | HTML5ベンチ | |
Microsoft Edge(ARM対応) | 511 | 272367 |
Chrome(32bitエミュ) | 219 | 155975 |
Chrome(ARM対応) | 428 | 246997 |
気になる方は改めて比較など、御覧ください。
まとめ「より実用的になる。ARM系Windows」
(上のWEB3.0ベンチ結果はAMD Ryzen 5700Gのスコアです。8コア16スレッドです。最近のデスクトップ向けハイスペックCPU・APU製品です。)
Apple Siliconを搭載したMacがARM系プロセッサーで先行して便利になっていく一方、やっとChromeがまともに動作するようになったWindows ARM。
Windows ARMはAppleSilicon搭載機同様に、省電力性能・バッテリー持ちは抜群に良いので、特にモバイル用途では得られる利点は大きいです。
是非今後もネイティブ対応ソフトを増やして、ひいてはARM搭載PCのラインナップも増えて行ってほしいところです。Google Chrome 123のWindows 11 ARMネイティブ対応はその歩みの大きな一歩となるでしょう。
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