RX6650Mを搭載した強力な小型ゲーミングPC「MINISFORUM HX100G」レビュー

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「AMD Ryzen7(+CPU内蔵GPU Radeon 780M)」+「Radeon RX6650M」を搭載した小型ゲーミングパソコン「MINISFORUM HX100G」レビュー

今回は、AMD Ryzen7+Radeon RX GPUを搭載しているミニゲーミングPC「MINISFORUM HX100G」をレビュー致します。

今回はメーカーさんより製品を無償提供頂きレビュー致します。

ミドルレンジゲーミングPCの性能を体積約3リットルに詰め込んだ小型ゲーミングPCです。

スペック・仕様(32GB RAM+1TB SSDモデル)

仕様・スペック一覧です。

MINISFORUM HX100G (Neptune Series)
CPU:AMD Ryzen 7 7840HS(8コア16スレッド、3.8GHz~5.1GHz、TDP45W、Zen4)
メモリ:32GB DDR5 5600MHz(SODIMM、16GBx2枚、交換可)
グラフィック:AMD Radeon RX 6650M (GDDR6 8GB、RDNA2)
グラフィックス(CPU内蔵):AMD Radeon 780M(RDNA3)
ストレージ:1TB M.2 2280 PCIe4.0 SSD(NVMe)
OS:Windows11 Home
端子:HDMI(4K@60Hz)×2、USB4 (8K@60Hz)×2、USB3.2 Gen2×3(タイプA)、USB3.2 Gen1×2(前・タイプA&C)、3.5ミリオーディオ入出力ジャック
通信:2.5ギガビットイーサネットポート、WiFi6、Bluetooth
拡張スロット:M.2 2280 NVMe SSDスロット×1
サイズ:205×203×69.3mm(横置き・体積は 約 2.9 リットル)
その他特徴:フローティング縦置きスタンド、TIMに液体金属を採用 など

MINISFORUM公式サイト:HX100G製品ページ(新しいリンクで開きます)

2023年~24年最新のCPU「AMD Ryzen 7 7840HS」に加え、GPUには、1世代古いけれどフルHDゲームにおいて十分な性能を持つ「AMD Radeon RX 6650M」を小型の筐体に組み合わせたパソコンです。

GPUが最新のRX7000番シリーズではないのが気になりますが、実は、CPUに内蔵されているGPU「Radeon 780M80M」は、メインGPU「RX6650M」より1世代新しいRDNA3アーキテクチャ製品なので最新の動画コーデック「AV1」のハードウェアエンコードにも対応しています。※RDNA2のRX6650MはAV1のハードウェアデコードに対応し、エンコードは非対応でした。

そのため、ハードウェアエンコーダーなど、GPU機能の一部は最新RX7000シリーズと同系統のものが使用することが可能。
実用的でコストと機能のいいとこ取りになる仕様になっていました。

接続端子については、映像出力としてHDMIが2ポート、USB4が2ポート・・・合計4画面接続に対応。
他にも、USB3.2Gen2ポートなどを搭載しフロントにもUSBタイプAやタイプCポートを装備しています。
拡張スロットについては、内部にM.2の空きスロットが1つあります。
サイズについては、横置き時、横幅奥行き20センチ、厚み7センチ。体積は約2.9リットルとなります。
その他の特徴としては、縦置きスタンドが付属していることや、CPUグリスなどに液体金属が使用されていることなどがあります。

出典・引用:Minisforum公式ストア 2024年2月24日参照

価格に関してはこのマシンの構成で公式通常価格「181,980円」です。ただし、記事執筆時現在(2024年2月24日)セール価格となっており「145,590円」となります。
セール価格なら相場的には特に割高でもなく小型サイズを考慮すれば、競争力のある価格になっています。

開封・内容物紹介

開封します。外のシュリンクを剥がして。

内容物は「PC本体」、「縦置きスタンド」、「ACアダプター」、「電源ケーブル」、「HDMIケーブル」、「説明書類(日本語対応)」・・・以上です。

ちなみに、ACアダプターはかなりの大型で、最大出力は約262ワット。高負荷を長時間続けるとそれなりに熱を持ちますので、密閉するような場所には置かないほうが良いです。

そして、接続端子はこの様になっています。

本体チェック・各部紹介

PC本体の装備紹介・各部紹介を行っていきます。
また、素材や質感についてもお伝え致します。
横置きの状態で確認します。

本体前面・フロントです。右から、「電源ボタン」、「USB3.2Gen1タイプCポート(10Gbps)」、「オーディオ入出力ジャック」、「USB3.2Gen1タイプAポート(10Gbps)」、「CMOSクリアボタンホール」があります。

右側面です。全体が排熱用のメッシュになっています。スタンド取り付けのネジ穴もあります。

左側面です。右側同様の排気口です。

右も同様ですが、内部を覗くとこの様にヒートシンクがめいいっぱい搭載されていることがわかります。

背面です。左から、「電源端子」、「 HDMI×2ポート」、「USB4(20Gbps)×2ポート」、「USB 3.2Gen2タイプAポート(20Gbps)×3」、「2.5Gbps LANポート」・・・となります。

上面です。縦置き時は右側面になります。こちらは給気口になっていて、中にファンが2台入っているのがわかるかと思います。ちなみに、上がCPUファンで下がGPU・ケースファンという扱いとなります。

底面です。上面と同じデザインですがこちらには通気性はなく、ただの蓋になっています。
分解時はこちらから開くことになります。

ゴム足の下にネジが隠れています。ベアボーンキットにパーツを取り付ける際にの参考に。

外装の素材や質感についてです。

外装は基本ABSと思われるプラスチック製です。
高級感はありませんが、変に歪んでいたり、隙間があるなどの問題はありません。

メーカーロゴが入っているプレートには本物のカーボン素材が用いられているようで、単なるプラスチックよりは金属に近い、少しひんやりした感触でした。

スタンドはアルミとカーボンの素材でできていました。
以上、素材と質感についてでした。

スタンド取り付け・外観チェック

スタンドを取り付けた状態の外観です。

真横から見なければわかりにくいですが、僅かに前傾となっています。これは重力で下がっているのか、そもそもの設計なのかはわかりませんが、従来のHX90Gや99Gも同じく僅かに前かがみになっていたので個体差では無いでしょう。

なかなか奇抜なデザインのPCです。ですが、横から吸気をして上下に排気をするのには適していますし、低負荷時は下から上に上昇気流で熱気が通り抜けるため、放熱設計的には有効なフローティングスタンドです。

起動・初期設定

電源投入。するとしばらくして上記のようなWindows11の初期設定画面となります。
ポチポチと進めていきます。

セットアップが完了したのでタスクマネージャーを確認します。当たり前ですが、スペック通りのチップが出ています。
また、初期状態において、GPUが0番と1番の2台が認識しています。
GPU0はCPU内蔵の「Radeon 780M」でGPU1は「Radeon RX6650M」です。

なお、BIOS・UEFI画面から内蔵GPUを無効にすることもできます。

  • BIOS・UEFIへは電源オン直後のロゴ画面でデリートを押して入れます。
  • 内蔵GPUの無効化設定は「Advanced」→「AMD CBS」→「MBIO Common Options」→「GFX Configuration」→「iGPU Configuration」→ここの項目を「iGPU Disabled」に変更

ただし、スペック紹介でもお話したようにエンコーダーなどは内蔵GPUのほうが優れている場合があるため意図せず内蔵GPUに仕事が割り当てられてしまう場合などを除き無効化しなくて良いとは思います。

「CPU-Z」「GPU-Z」「CrystalDiskInfo」

CPUなどの詳細をソフトを使用して確認しておきます。
「CPU-Z」です。

CPUの情報です。「AMD Ryzen 7 7840HS」

マザーボード・BIOS・チップセットの情報です。

メモリの情報です。クルーシャル製のメモリでした。

次に「GPU-Z」です。

左がRadeon RX6650Mで、右が CPU内蔵のRadeon 780Mです。
いずれもレイトレーシングに対応していて、似たような機能を有していますが、
シェーダー数などが2倍以上の差がありますし、当たり前ですが、全くの別物です。

「CrystalDiskInfo(クリスタルディスクインフォ)」です。

1TBモデルを選択した場合において、標準のSSDはキングストン製(KINGSTON OM8PGP41024Q-A0)でした。NVMe PCIe4.0x4接続です。

性能確認・ベンチマークテスト

それでは各種ベンチマークテストを実行して性能や冷却具合を確認致します。

なお、今回のテストでは、
Radeon780MのGPU性能は見ておらず、基本RX6650Mによる結果をお伝えします。

「Cinebench R15」

「Cinebench R15」です。

CPUマルチが「2776cb」で、CPUシングルは「287cb」。GPU・OpenGLは「237.53FPS」でした。

この数値は紛れもない2024年においてトップクラスの8コアCPUのスコアであり、間違いなく高性能CPUです。

このテストでのCPU最高温度は「約63℃」でした。


冷却に余裕があるため、ターボブーストが積極的に働いておりCPU速度はスペック最高値の5.1GHz出ていました。

「Cinebench R23」

続いて「Cinebench R23」です。CPUマルチが「16985pts」で、シングルは「1808pts」でした。
CPU最高温度は約66℃でした。

「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」 FF14

次にゲーム性能を確認してみました。まずは定番のFF14ベンチマークです。
設定はフルHDで最高品質です。
このレベルのゲームでも、CPU内蔵のRadeon780Mでもなんとか動かせるので、RX6650Mなら余裕ですね。

結果はスコア「17395」で評価は「非常に快適」とのことでした。
平均フレームレートは「123.56FPS」で最低フレームレートは「50FPS」でした。

「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」 FF15

次は、FF15ベンチマークです。設定はフルHD高品質です。結果はスコア「8405」で、評価は「快適」とのことでした。

フレームレートは80FPS程度出ており快適そのものです。それなりに重たいシーンだと60FPSを下回ることもありますが概ね快適でしょう。

「Cyberpunk 2077」

次に、激重なゲーム「サイバーパンク2077」を試してみます。

設定はフルHDでプリセットウルトラ。AIアップスケーリングはオフで実行します。
レイトレーシング無しでは最も上質なグラフィックス設定となります。

フレームレートは60FPSに前後推移しています。

エフェクトの少ない屋外では70FPS前後と快適性が増します。

次にレイトレーシングをオンにします。プリセットレイトレーシング低にして、AIアップスケーリングをオフにします。その上で、レイトレーシング機能のレイトレース反射を有効にしました。
実質的にレイトレーシングウルトラと同じ反射表現となり、レイトレを効かせた極めて重たい設定となります。

そうすると、フレームレートは半減し「25FPS」前後となりました。
ただし、レイトレース反射が有効なため水面の反射等は素晴らしくきれいになりました。

ゲーミング性能まとめ・レビュー

リアルタイムレイトレーシングがオフの状態であればフルHDネイティブ解像度で激重なゲームを最高設定かつ60FPSで楽しめる性能があることを確認できました。

重たいサイバーパンクで快適な動作を確認できたことから、それ以外のゲームの多くがフルHD(非レイトレ)においてそれなりに快適に動作することを推測できます。

フルHDでレイトレーシングはそこまで重要視しないのなら満足感のあるパフォーマンスです。

RX6000シリーズでは下の方のチップですがゲーミング性能に実用性は十分ありました。
性能の確認は以上となります。

騒音・ノイズレベル

※一般的な住宅内で計測しているため、騒音値は参考程度にしかなりません。

ファンノイズやコイル鳴きなど、騒音・静音性を確認します。上記はアイドリング状態です。(騒音測定結果:28~32db)

アイドリング状態では温度によりますが、CPUファン(上のファン)は回転していますが、もう一方のGPUファン(下のファン)は停止しています。

静まり返った状態でかつ至近距離でないと全く聞こえない程度に静かです。

続いて、ゲームのベンチマークテストを実行し騒音を確かめます。負荷を掛けてから少し経過し、恐らく最大音量になったときです。(騒音測定結果:43~44db)
少しの風切り音と、少しのコイル鳴きを感じました。ですが、いずれにしても騒音は少なく静かでした。

ちなみに、フォールアウト4など
PS4世代のゲームを60FPS制限にて遊ぶ場合は、GPUがフルで働かなくても大丈夫なのでGPU側のファンは停止した状態でプレイ可能です。

この場合、騒音はアイドリングと同等で、極めて静かでした。(見切れていますが、騒音計測アプリの数値はアイドリング時と変化を示しませんでした。)

性能を考えると非常に静かな小型ゲーミングPCと言って良いと思います。

分解(ベアボーンキット組み込みの参考に)

それでは最後に分解して中身を確認してみます。分解にはプラスドライバーを使用します。
分解は底面のパネルから行います。ゴム足の下に合計4本のネジが隠れているのでそれを外します。
ネジを外した後、特に爪を引っ掛けられそうなところはなかったのでカードなどの薄い何かでこじ開けます。

すると内部に鉄板が現れるのでコレも外します。ネジ4本です。

これにてメモリやSSDにアクセスできます。標準状態でメモリとSSDにはヒートシンクが取り付けてありました。

背面は通気性が無いので必要な装備でしょう。M.2 SSDの空きスロットもありますね。HX99Gのベアボーンを購入の際の参考にしていただければと存じます。

まとめ「静かで高性能。バランスの良いミニゲーミングPC」

GPUに「Radeon RX6650M」を搭載した小型ゲーミングPC「MINISFORUM HX100G」をレビューいたしました。
最後に良い点とイマイチな点をまとめてお話しますと・・・良い点は、省スペースで実用性のあるゲーミング性能がありCPU性能も抜群に速いこと。
そして、それでいて静粛性が高く道具として、総合的に優れていることです。

イマイチな点は、ACアダプターが大きいことは仕方ないとして、ここもHX90Gから引き続きなのですが縦置きスタンドが若干前かがみな点です。

と言いますことで、前かがみな点を許容できるなら
良い点の多い魅力的な製品だと思いました。

MINISFORUM公式サイト:HX100G製品ページ

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