内蔵ソーラーで自己充電するアタッシュケース型ポータブル電源「BROWEY PN-600」検証レビュー

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内蔵太陽光パネルで発電・充電するポータブル電源「BROWEY PN-600 パワーステーション」徹底検証レビュー

太陽光発電付きポータブル電源「BROWEY PN-C600」をレビューします。

こちら、メーカーさんよりレビュー用サンプルを試供いただきました。

本体の装備紹介から実際に使用できる電源容量、変換効率、内蔵ソーラーの発電能力など詳しくご紹介します。

製品概要・主なスペックや価格

主なスペックです。

◯メーカー・モデル:BROWEY PN-C600
◯蓄電容量:192000mAh/614.4Wh
◯電池種類:リン酸鉄リチウムバッテリー
◯電源出力:
AC110V(60Hz) 定格600W(瞬間1200W)純正弦波」
「USB出力 USB-A×2(QC3.0対応、18W)
USB-C×1(PD65W ※5・9・12・15・20V)」
「DC出力 12V-10A×2(DC5521)」
「シガーソケット出力 12V-10A」
◯電源入力:DC 12-30V/4.5A(DC5521)※0~100%充電は約6時間~
ACアダプター(120W)、カーチャージャー(12-24V)、
内蔵及び外付けソーラーパネルでの充電に対応。
◯内蔵ソーラーパネル:30W
◯本体サイズ:幅436㎜×高339㎜×厚み142㎜ 重量:10.5Kg
◯その他特徴:充放電3500回以上、10年以上の高耐久。堅牢設計。端子カバー。5年保証(製品登録で無料7年まで延長可能)

搭載電池の蓄電容量は「192000mAh」。ワットにすると「614.4Wh」。
変換ロスを無視すれば、ざっと消費600Wなら1時間。60Wなら10時間動作させることができるくらいの電池容量です。
電池の種類は「リン酸鉄リチウムイオンバッテリー」。0度以下の低温時は充電効率が悪くなる欠点がありますが、通常の三元系リチウム電池と比較すると安全性が高く、充放電回数も多いのが特徴の優れた選択肢のバッテリーです。

電源出力については、AC、DC、USB、シガーソケットに対応。

ここで注意点があり、AC、いわゆるコンセント出力については、「電圧が110ボルト」で「周波数は60Hz固定」になります。

家電製品などでは世界市場対応のために100V~240Vかつ50、60Hz両方に対応している製品も多く、今回のレビューで試したような製品のすべてが問題なく動作しましたが、もし、100V50Hzでしか動作しない製品の場合は正しく動かないため、注意する必要があります。

いわゆる「ポータブル電源」「大型蓄電池」として中間的な電池容量、スリム形状、そしてソーラー発電内蔵。実用的なスペックとなっています。

価格については多少上下しますが、およそ5万円台~7万円台で購入できます。

Amazon「BROWEY PN-C600

アマゾンではクーポンがたまに出るので、お急ぎでなければクーポンが出るのを待っていると底値付近を狙えるかと思います。

コスパについては、約600Whで7万円ということで、100Wh=1万円がよく見る相場なので、やや高めかと。しかし、アタッシュケース形状やソーラーパネルがあるなど付加価値もあるので、人それぞれの選び方次第でコスパは変わるかと思います。

※追記。2024年1月10日現在、価格がこなれてきて、5万円台半ばで販売されています。100Wh=1万円が相場とすれば「約600Whで約5.6万円」とは格安な部類となりますからソーラーパネル付きである点も考慮すればコスパは良好となっていました。

開封・付属品

開封して内容物と付属品についてご紹介します。

内容は「本体、ACアダプター、シガーソケット充電ケーブル、DC出力用ケーブル、DCマルチ変換アダプター、日本語説明書」以上です。

付属のACアダプターはDC24Vで120W出力でした。

説明書は日本語専用でシンプルかつわかりやすい。

アマゾンなどでの注文番号をメーカー指定のEメールアドレスにて通知すると、メーカー保証期間を通常の5年から7年まで延長することができるとのことです。

本体について

本体の装備を確認します。

各部装備確認

アタッシュケース形状で丈夫に大きなハンドルがあります。電動工具の入れ物のようにも見えるデザインです。

二つ折りでソーラーパネルが搭載されています。パネル表面は非光沢なので反射など周囲へ配慮する必要はありません。


ヒンジには特にラッチはないですが適度な硬さでパネルを自由な角度で開いておくことが出来ます。

反対側。パネル使用時本体に傾斜をつけるためのスタンドがあります。パネル面を太陽に直角に向けることで発電効率が最大化します。

本体側面。こちらに集中して電源コネクターなどがあります。

その反対側。

高温時に回転する排気ファンです。ここから空気が出てきます。なお、ファンの騒音はやや大きいです。ドライヤーの弱のような印象でした。常に回るわけではなくあくまで高温時のみに回転します。後ほどご紹介しますが室温29度前後において、150Wの負荷を維持すると、時々ファンは回転していました。気温にもよると思うので参考程度に。

上部のハンドル部分。握る部分はラバーなどは無く単なるプラスチックです。

底面です。接地する部分にはゴム足があります。

入出力・接続部分、ディスプレイの詳細

本体側面にある入出力ポート周辺を詳しく確認します。

ポート類はすべてカバーが付いています。ソーラパネル搭載ということで、砂埃や急な雨の対策になっています。※ソーラーパネルは防水ですが、本体全体は防水ではないです。当然ですが水に浸すなどはNGです。

端子の付近にはそれぞれの出力方式単位のボタンがあり、出力をオン・オフすることができます。

パワーデリバリー65ワットに対応のUSB-C。クイックチャージ3.0対応のタイプAが2ポート。
DC出力は、端子が2個(直流12V固定)。

電源入力はDC 12-30V/4.5Aです。付属の電源アダプターやカーチャージャー、市販の外付けのソーラーパネル(12Vシステム向け、開放20V前後などのタイプ)が接続できます。コネクターはセンタープラスDC5521です。

アース付き3ピン対応コンセントです。シガーソケットもあります。位置の都合で難しいのでしょうが、できればコンセントは2口以上あるといいと思います。
なので使うときはタコ足の電源タップがあるとよいですね。コンセントを使っている最中にあとから追加したいコンセント機器が出てくるかもしれませんから。

ディスプレイは「DISPLAY」ボタンを押すと電池残量を確認できます。残量表示は20%刻みです。
なお、情報表示は発光しているので暗い場所でも難なく確認することができます。

充電中や使用中は常に表示している状態になります。充放電中は使用または充電の電力をワットで表示されます。

なお、USBについては、DC出力と同じ扱いでありDC出力をオンにした状態で使います。

実用テスト

実際に使用できる電力量など実用して確認します。
製品を開封した状態は約80%残量だったので一度100%まで満充電してからテストしました。

AC・コンセント出力テスト

ACコンセント出力で使用可能な実際容量確認していきます。なお、使用する負荷(何ワット使うのかなど)によって取り出せる電力の総量は変化するので参考程度にお願いします。

今回はテストとして主に「PCモニター」「PS4 Pro」を接続して電池切れ表示になるまでゲームを何時間できるのか、そしてその際の電力量を計測します。おおよそ150W程度の負荷となります。

本体のディスプレイで「146W」・・・

AC出力部分でワットチェッカーで確認すると同じく「146W」とのこと。
一致しているので本体の電力表示は正確だと思います。

では負荷を掛けていきます。

1メモリ減少・・・残り80%時点

1メモリ減りました。約20%消費したことになります。

経過時間としては約45分。

使用電力量は「0.10KWh」でした。Wh表記にすると「約100Wh」です。

2メモリ減少・・・残り60%時点

2メモリ目が減少し、40%程度消費しました。このあたりになると熱が蓄積してきたのか、時々ファンが回るようになりました。(室温27~29℃)

経過時間は1時間23分。

積算使用電力量は「0.20KWh」。Wh表記にすると「約200Wh」です。
1メモリ目が「約100Wh」で2メモリ減った時点で「約200Wh」・・・したがって、今のところ1メモリ20%分相当で100Wh分の電力取り出せていることになります。

続けていきます。

3メモリ減少・・・残り40%時点

60%消費。残り4割。

経過は2時間3分。

使用電力は「0.29KWh」。Wh表記にすると「約290Wh」です。

4メモリ減少・・・残り20%時点

4メモリ減少し、残り2割。

時間は2時間43分経過。

使用電力は「0.38KWh」。Wh表記にすると「約380Wh」です。

全5メモリ減少・・・残り0~20%前後時点

最後のメモリが消え、電池残量は不明。0~20%以下と思われます。

経過時間は3時間4分。

使用電力は「0.43KWh」。Wh表記にすると「約430Wh」です。

メモリはゼロだけど、給電は続いているのでテストを続ける。

残量メモリがないのでいつ切れるかわかりませんが、給電が止まるまでは続けています。

ただし、PS4 Proでは急なシャットダウンは困るので負荷を変更。
PS4 ProをノートPCに変更し「ノートPC」と「PCモニター」を接続した状態で「約40~50W」の負荷を掛けていきます。

給電がストップしました。画面も消えました。

経過時間は4時間11分。

積算の使用電力量は「0.47KWh」。Wh表記にすると「約480Wh」です。

AC出力検証まとめ

今回試したACコンセント出力の結果をまとめます。

それぞれの消費電力と時間についてはこちら。

消費約150W:PS4Pro 3時間4分(0.43KWh)
消費約50W:ノートPC 1時間7分(0.05KWh)
合計 4時間11分(0.48KWh)
※何れも外付け27インチ液晶モニターを負荷に含む。

以上のようになりました。

バッテリー(614.4Wh)→コンセント(0.48KWh)で効率を計算すると
「効率78%」でした!!

バッテリーの直流から交流のコンセント出力に変換(インバーター)していることを考えると、効率は良好だと思います。ざっと変換損失は22%程度ですから。

おそらくですが、コンセント出力ではなく、USB-PD出力などであれば交流への変換しないので、更に損失を減らせるのでもっとたくさんの電気を取り出せそう。

いずれにしても今回の結果からはスペックのバッテリー容量は信頼のできる数値であることが推測できますね。

DC/USB出力

DC出力についてはスマホであれば途方も無いほど何度も充電できます。
繋ぐだけでは充電スタートせず、DCボタンを押して出力をオンにしないと充電開始しないのは一般的なモバイルバッテリーとの違いですね。

あとは充電残量が20%刻みなので、スマホ1回程度の充電だと残量の変化が現れませんでした。

本体充電テスト(ACアダプターを使用)

次に本体の充電を行ってみます。付属のACアダプターを使用して充電速度などを見ていきます。
ちなみに充電電力については本体表示で109W、ワットメーターでは113Wとなっていました。

充電完了しました。
なお、満タン寸前まで100W程度を維持しながら充電していました。

掛かった時間は「5時間37分」で使用した電力量は「0.62KWh」でした。

Wh表記にすると「約620Wh」です。

「バッテリー614.4Wh」に対して「620Wh」を使用。効率を計算すると「約99%」となりました。
ACアダプターでの充電効率は極めて良いです。

ちなみに、充電中でも使用可能です。

ソーラパネルやACアダプターなどで本体を充電している最中でも、バッテリーからAC/DC出力ともに使用可能でした。

内蔵ソーラーパネル(30W出力)をテスト

このポタ電の最大の特徴である内蔵太陽光発電機能を試します。
環境としては、8月中旬の午後1時。気温32℃くらいで、雲がチラホラある感じの晴れの日。夏の空という感じで、太陽光発電に理想に近い天候だと思います。
色々な設置方法でそれぞれ発電量を確認します。

水平設置

まずは水平設置です。

発電量についてですが「15〜16W」となっていました。
うーん。パネルの公称スペックは30Wとのことでしたのでその半分。少し見かけ倒し感がありますね。

スタンドを起こして斜めに設置

スタンドを使用して斜めに設置してみます。

発電量は「16〜17W」出ていました。より効率的な設置になっていると思います。それでも公称値の3分の1程度と、あともう一歩という印象。

垂直設置

最後にあまり効率的ではありませんが垂直設置を試してみます。

垂直設置では「8W」前後の発電でした。

・・・以上、内蔵太陽電池での発電量についてでした。スペックの30Wには遠く及ばないのがガッカリですが、それでも今回、最高17W出ていたので、携帯ゲーム機やモバイルノートPCなどであれば太陽光だけで賄える発電量はありました。

しかし、正直な話、夏は暑すぎてポータブル電源それ自体を外に長時間放置するのは心配。大丈夫かもしれませんが高温になりすぎると思います。

ですが、夏以外なら、晴れた日にベランダや庭先に放置して発電するのもありです。いざという時のため、充電状態を維持できますからね。

太陽光発電は補助程度でしたが放置できる場所があれば実用的かもしれません。

まとめ・感想

最後に使っての感想を交えながらまとめです。

太陽光発電機能付きポータブル電源。「BROWEY PN-C600」をレビューしました。
内蔵のソーラーパネルによる太陽光発電とアタッシュケース形状の筐体が特徴で、性能としても十分な電池容量に加え電力変換効率も高く実用的でした。

実際にバッテリーでPS4 Proとモニターを3時間以上使用できましたからね。これがあれば外でもどこでもプレステでゲームが数時間できるということ。すごいです。

AC出力が60Hz固定なのは注意点ですが今回のテストでは全く問題はなく、また、私が考えるモバイルで使用したい家電はいずれも対応しているようだったので特に不満にはなりませんでした。

一番の特徴である内蔵ソーラーパネル発電量が最大でも20ワット弱しか得られなかったのは、もうひとこえほしいところですが、災害時などはないよりマシですし、きざというときにバッテリーが自然放電していても晴れていればソーラーで賄える場合もあるでしょうから、実用性というより備えとして発電できるのは良いでしょう。ソーラー発電機内蔵ポータブル電源でした。

Amazon「BROWEY PN-C600

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