パソコン電源(PSU)の内部を分解清掃する方法を解説。
今回はパソコンの電源ユニットの分解清掃方法をご紹介していきます。
できるだけわかりやすく手順・やり方、コツ、必要なモノついて解説していきます。
今回は「ATX電源」で解説。
PCで使用されている電源ユニット(PSU=Power Supply Unit)には規格やサイズがいくつか存在していて、加えて、作られた年代によっては中の構造が違っていたりします。なのでパソコンの電源であれば全て同じ方法が通用するというわけではありませんので、参考にして、まずはこれから掃除したい電源がどのようなものなのか観察・把握するところから取り組んでください。
今回は「ATX電源」というデスクトップパソコン向けでは最も一般的な規格・サイズの電源ユニットで実践・解説していきます。
具体的に今回の電源は「コルセア CX500M」という製品です。こちらは比較的新しく、最近の電源と内部の構造(ファンの配置など)は同じなので他のモデルでも最近(2010年以降?)のATX電源であれば参考になるかと思います。
※SFX電源などもサイズは違いますが、参考になればと思います。
電源の分解清掃に必要なモノ
電源の分解清掃に必要なもの・使うものについてです。
今回用意したものは以下となります。
- プラスドライバー(今回は大きなプラスと小さなプラスの2本を用意した。)
- 掃除機
- 刷毛
- ブロワ
今回は分解して、内部のホコリを柔らかい刷毛で絡め取ったり、ブロワで飛ばしたりしてキレイにしようと思います。
そして掃除機はその飛ばしたり絡め取ったりしたホコリを飛び散らさないように吸い取る為に用意しました。
今回は以上のようなアイテムを使用しますが、ホコリが飛び散っても大丈夫な環境であればエアダスターを使用したり、逆にホコリを一切飛ばしたくないのであれば刷毛と掃除機の2つだけで掃除したり。環境によって工夫してください。
また、今回の場合は大丈夫ですが、例えばタバコを吸う環境であったりキッチン等油分が多い場所でパソコンを使用していた場合は、恐らく油汚れ(ヤニ汚れ 他)があると思われるので、以上のアイテムに加え無水エタノール(あるいは消毒用エタノールなど)を用意して、油汚れはエタノールで拭き掃除する必要もあるかもしれません。こちらに関しても各自判断して用意しましょう。
お掃除作業開始
それでは掃除を開始します。ATX電源の一般的な分解方法や掃除方法、その際の注意点などをご紹介していきます。
はじめに「分解すると(保証シールを破壊すると)メーカー保証は切れます」
パソコンの電源の多くは分解すると保証が切れてしまいます。※NEC他メーカー製のPC等、電源自体に封印などははない場合があり、その場合分解しても(覚られなければ)問題にならないこともあります。
この電源の場合(上写真)「WARRANTY VOID~」というシールが保証対象か否かを判断する印となっています。
このシールの下に、分解する為には外さなくてはならないネジがあって、ネジを外すためには当然シールを剥がす・破る必要があります。そのため、分解すると(シールを破壊・剥がす)と保証が切れることになります。
今回の電源ではネジの上にシールが貼られていますが、電源のケースの接合部に貼られていて、分解すると千切れるタイプなど、これ以外にも分解したかどうかをチェックする仕組みがあったりします。
いずれにしても「分解をする」ということはメーカーの保証は無くなってしまう恐れがあると考えてください。
1.ネジを外す。
※注意※当然ですがコンセントから抜いて、PCの本体から取り外し、可能な限りどこにも・何にも繋っていない状態で作業してください。
分解していきます。まずはネジを外します。この電源では4隅のネジを4本外すことでケース・カバーを開くことが出来ます。
コツは「最低限のネジだけ外す事」です。例えば中央寄りの4本のネジ。これファンを固定しているのですが、これも後々外すネジで、今外しても大丈夫ではあります。
しかし、内部の構造がよく見えない状態で外してしまうと部品の位置関係や方向などがわからなくなることがりあります。なので、最低限のネジだけを外し、分解を進め、内部パーツの配置を把握しながら作業すると戻していくときに「完全に元に戻す事」がしやすくなります。心配であればスマホなどで写真などを撮影しながら分解していくとより確実で良いです。
それに「このネジを外さなくても取れたのに。」ということもありますのでね。
あとはネジやばらした部品をなくさないように、整理した場所で作業しましょう。ごちゃごちゃしているとはかどりません。
2.ケース・カバーを開く。
ケースを開きます。ケースの素材は一般的に「鉄」が使用されています。なので鉄板の断面などで手を怪我しないように注意してください。ゴム手袋などをすると安全です。
ケースを開く際には、ケースの上の方に搭載されたファンの電源コードが出ていることがあります。なのでゆっくり慎重に外します。勢い余ってコードやコネクターを傷めないように注意しましょう。
今回の電源ではファンの電源はコネクターで繋がっており、コネクターは外すことができるので外して作業します。※ファンがハンダ付けで外せない、またはコネクターが手の届かない場所にあって実質外せない場合があります。その場合このままの状態でコードにストレスを掛けないよう慎重に作業します。
3.ホコリなどを掃除する。
ファンや内部パーツにホコリがたくさんついていました。こちらを先程用意した掃除アイテムを使い、キレイにしていきます。
目で見てバラせそうだと思ったところは分解してホコリを除去。刷毛でホコリを絡め取っていく。
外からは手の届かない内部の基板もこの通りキレイに。
4.逆の手順で組み立てる。
気が済むまでキレイにお掃除したら、バラした時の逆の手順で組み立てていきます。
部品の方向なども元通りにします。
ファンのコネクターは戻し忘れやすいので注意です。
完了
部品やネジを余らせる事なく元に戻せたら作業は完了です。お疲れさまでした。
まとめ
いかがでしたか。今回はパソコンの電源ユニット(ATX電源)を分解お掃除する方法について解説いたしました。
長年使用して、ホコリが詰まっている場合やホコリなどの影響で電源のファンがうるさくなっている場合などは分解清掃をしてみるのも良いかと思います。
内部を見ることで、例えば内部パーツの劣化や汚れの酷さなどを把握し、故障・事故を未然に防ぐ情報にもなるかもしれません。
電源ユニットの分解清掃する際の参考になれたなら幸いです。
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